ドラマのスタッフってどんなお仕事してるのかな?まとめてみました!
先日、TBSのプロデューサーのお話を聴く貴重な機会がありました。
脚本家を目指す人向けの講義に参加したときのことです。
一番はじめにお話しがあったのは、ドラマのスタッフについてです。
「ドラマのスタッフはどんな仕事があるか知っていますか?」
と、なげかけられました。
ドラマ全体の流れを理解することで、脚本家として求められるスキルについて理解することができました。
すごく勉強になったので、ドラマのスタッフについて記事にしたいと思います。
ドラマづくりはたくさんのスタッフが関わっています。
ドラマのスタッフというと、俳優が芝居をする撮影現場を想像されると思います。
ドラマづくりの流れとドラマのスタッフに関する仕事について調べてみました。
ドラマが好きな人
ドラマスタッフの仕事を知りたい人
ドラマスタッフの役割を知りたい人
ドラマづくりを知ると、新しい視点でドラマが見れます。
ドラマがもっと楽しくなる記事です。
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ドラマのスタッフによるドラマづくりの流れ
エンターテイメント業界に欠かせない専門のスキルを学ぶことができる東放学園の公式サイト「テレビドラマができるまで」によると、ドラマづくりは14つの項目があります。
企画
制作会議
美術打合せ
顔合わせ
本読み
リハーサル
カメラ割り・絵コンテ
ドライリハーサル
カメラリハーサル
ランスルー
本番
VTRチェック
編集・MA
番組送出
最近では、ドラマの放送直前番組でたまに撮影現場の様子が映ることがあります。
放送されるのは、出演者のリハーサルの様子や、撮影現場の休憩中をよく見ます。
ドラマのスタッフに注目した、ドラマづくりの詳細についてみることはできません。
テレビドラマができるまでを参考にドラマのスタッフについて調べていきます!
ドラマスタッフのプロデューサーの役割
プロデューサーは企画のはじめから番組放送後まで統括する役割があります。
テレビドラマは原作があるものとオリジナル脚本の2種類があります。
どんな原作をドラマ化するのか?どの脚本をドラマ化するのか?
プロデューサーは、原作者や脚本家と打合せをします。
方針が決まると、企画書にします。
また、ドラマづくりには予算があります。予算に応じたドラマづくりが求められます。
出演者を決めて、スタッフと打合せをして、撮影を進めていきます。
さらに、撮影した映像の編集の確認、ドラマの宣伝活動、ドラマ関連グッズ、放送後に発売されるDVDなどマネジメントもしていきます。
ドラマスタッフのアシスタントプロデューサーの役割
アシスタントプロデューサーはプロデューサーの助手的役割です。
「AP」という表記がでるスタッフが、アシスタントプロデューサーです。
撮影現場で出演者のアテンドや、撮影スケジュールの調整をします。
具体的に撮影現場で出演者のアテンドというのは、出演者がスムーズに撮影に臨めるように準備し、出演者が来たら案内をしたりします。
出演者が現場に来る時間前に飲み物や待機場所の準備をしたり、撮影の状況を確認して、楽屋で待機する出演者を呼びにいくこともあるでしょう。
放送直前と最終回直前にある番組宣伝の調整もアシスタントプロデューサーの仕事です。
ドラマスタッフのディレクターの役割
ドラマスタッフのディレクターは現場の総責任者です。
ドラマスタッフはたくさんの職種と人数が関わっています。
企画書からはじまり脚本が完成したら台本として印刷され、関係者の元に届きます。
それぞれが台本を読み、自分の仕事の準備をします。
撮影当日は、撮影スケジュールをもとに進めていきます。
現場での進行がスムースに行くように引っ張っていく役割です。
出演者の一番近くにいることから、演技指導もディレクターの仕事です。
また、技術班や美術班、編集作業と作品全体を統括します。
制作部と呼ばれています
テレビ番組を作りたいと思う人が目指すのは、テレビ局の制作部と呼ばれています。
プロデューサー、アシスタントプロデューサー、ディレクター、アシスタントディレクターが制作部に所属しています。
ドラマスタッフの脚本家の役割
脚本家は脚本という、ドラマの設計図を作る役割があります。
脚本家はプロデューサーやディレクターとの打合せを繰り返し、ドラマの構成を作っていきます。
原作のあるドラマはまず原作を読みます。
原作のないドラマは「オリジナルドラマ」と呼ばれています。
脚本家オリジナルのドラマです。
オリジナルドラマは企画書の作成にはじまり、ドラマのあらすじを形にします。
脚本は登場人物のセリフとト書きのふたつの要素で構成されています。
ト書きは、セリフ以外の物語の演出をあらわす説明のことです。
ひたすら書いて、直して、書いて、直してを繰り返します。
脚本が完成すると台本になり、ドラマスタッフはじめ出演者に渡されます。
私が脚本の勉強する中で驚いたこと
ドラマの予算と合わせて物語の展開を考えることがあるそうです。
ロケの撮影は何回できるのか、出演者は何回登場させるのか、限られた条件の中でドラマを面白くする技術が求められます。
ドラマスタッフの美術の役割
ドラマのスタッフの中でも、美術スタッフは美術の分野が多岐にわたります。
テレビ局、制作会社で美術さん、美術監督、美術デザイナーと肩書や名称があります。
フジテレビの美術の仕事がまとまっているサイトがあります。
美術の仕事として記載されているのは、17個もあります。
デザイナー
美術プロデューサー
アートコーディネーター
大道具
アクリル装飾
衣裳
持道具
電飾
ヘアメイク
小道具・装飾
生花装飾
アートフレーム
植木装飾
特殊効果
特殊装置
楽器
CG
引用:https://www.fujitv.co.jp/bijutsu/
美術スタッフは、ドラマの世界観やキャラクターに大きな影響を与えます。
ドラマの画面に映るすべてのモノには、たくさんの想いが込められています。
企業の衣装協力はどうやって決まるの?
独身時代に仕事で、ドラマの衣装協力をしたことがあります。
その時の流れです。
- 衣装担当からスタイリストに話がありました。
- スタイリストは各ブランド(アパレル企業等)広報担当に企画書を送り、衣装提供もしくは衣装買取の依頼をします。
- 出演者の衣装合わせで決定した衣装は、スタイリストから広報へ報告があります。
- 衣装の提供の場合はドラマのエンドロールに企業のブランドロゴの掲載が可能です。
- ドラマの制作担当者へロゴデータを送ります。
ドラマにスポンサーする企業、衣装協力する企業もドラマづくりに関わる大事な人たちですよね!
ドラマの出演者の役割
出演者はドラマの登場人物を演じる役者の役割です。
出演者は主演、助演、バイプレイヤー、エキストラなど呼び名があります。
主演、助演、バイプレイヤーはドラマの人気を左右する重要な役割があります。
とくに近年は、バイプレイヤーに注目が集まっていると言えます。
バイプレイヤーは「byplayer」と書きます。
これまで「脇役」と呼ばれていた、主演以外の人気のある俳優さんのことをバイプレイヤーと呼びます。
バイプレイヤーも人気のある俳優をキャスティングすることで、話題性につながります。
TwitterなどのSNSでは、原作のある物語のドラマ化のニュースが流れると「キャスティングは○○(俳優名)希望」というツイートが出るほどです。
ドラマスタッフのスケジューラーの役割
ドラマ撮影の現場の様子がテレビで映し出されるとき、模造紙に書かれたタイムスケジュールを観たことはありませんか?
撮影スタジオのドアのところに模造紙で貼ってあるのを私は見たことがあります。
分刻みのタイムスケジュールで「これは誰が作っているのかな」と気になっていました。
スケジューラーという専門のお仕事があります。
脚本を読んで撮影に必要な時間を割り出し、そこに役者のスケジュール、ロケ場所のスケジュール、編集スケジュール等をかけあわせて、撮影スケジュールを組み立てる専門職。
引用:https://www.13hw.com/special/special03_06.html
日本テレビで放送された「泣くな、はらちゃん」のスタッフブログにスケジューラーの仕事内容が記載されていました。
現場のスタッフは創ることが仕事。スケジューラーは、創るための調整をするのが仕事です。
引用:「泣くな、はらちゃん」のスタッフブログ
出演者のスケジュールを、出演者のマネージャーと調整し、撮影現場のスケジュールを制作部と調整をすすめるのでしょう。
ドラマのシーンを完成させるには、天気予報の情報も考慮して、撮影スケジュールを組む必要があります。
ドラマスタッフのカメラマンの役割
ドラマを撮影するカメラマンは、物語を語るうえで私たちの目となります。
台本を読み込み、効果的なカメラワークで撮影します。
NHKで放送された「55歳のハローワーク」のスタッフブログにカメラマンの貴重な台本書き込みの記事がありました。
撮影をする場面を想像し、自分なりに思い描いた映像を台本に描き留めておく。
引用:「55歳のハローワーク」のスタッフブログ 第3話カメラマン奮闘記より
台本を読んで、その映像を撮るにはどうしたらいいのか、伝えられるのか試行錯誤している様子が伝わってきます。
撮影の小道具をどのくらいの大きさで撮影するのか。
ドラマの中で意味のある小道具だったらさりげなく、でもしっかりと視聴者に伝える必要があります。
撮影現場を見学したときに感じたこと
撮影現場は、限られた時間の中で撮影スケジュールをこなす必要があります。
私が実際に撮影現場に行って感じたことは、撮影前の念入りな準備がそのシーンの仕上がりが決まるということ。
カメラマンはテレビを見る私たちの目である、と感じたの撮影現場を見学して感じたことです。
俳優の動きにあわせどこから撮影するのか、動きに合わせて打ち合わせをしているのが印象的でした。
ドラマスタッフのタイムキーパーの役割
ドラマスタッフのタイムキーパーは、ドラマの放送時間内に作品を完成させる役割があります。
台本を読み、1シーン1シーンがどれくらいの放送時間がかかるかを予想します。
その時間を目安に放送時間内に収まりそうにない場合には、プロデューサーから脚本家へ台本の修正依頼があります。
そして、時間内に収まるようにシーンを見直します。
実際に撮影がはじまると、1シーンが目安にしていた時間に進むかを管理していきます。
ドラマスタッフの照明の役割
ドラマスタッフの照明は、ドラマの物語にあった世界観を照明で表現する役割があります。
照明のスタッフは、ライティングディレクター、ライティングオペレーターなどの専門スタッフが一丸となり、照明を生み出しています。
ライティングディレクターが照明プラン、照明予算、照明スタッフの配置をまとめます。
ライティングオペレーターは照明機材を操作します。
撮影現場では、出演者が役になりきるためにも照明は大切な役割をしています。
ライティングオペレーターが、フロアチーフを兼任している場合もあります。
ドラマスタッフの映像編集者の役割
ドラマスタッフの映像編集者は、撮影した映像素材を編集する役割があります。
ドラマの撮影は、一番はじめから撮影されることはありません。
ラストシーンから撮影する場合だってあります。
ドラマの撮影は必ずしも順番に撮影されることないのです。
出演者のスケジュールや、ロケでの撮影の場合の天候の影響があるためです。
ロケで夕日を背景に出演者の撮影が予定されていた場合、雨がふっていたり夕日がみえなかったりするとその日は撮影できないのです。
映像編集者が台本通りのドラマの流れに編集するからこそ、私たちはドラマを観ることができます。
ドラマスタッフの音響の役割
ドラマスタッフの音響は、台本のト書きと呼ばれる状況説明に合わせて音をつける役割があります。
台本を読み音のイメージをふくらまし、音響担当者の打ち合わせをします。
撮影で収録した音声を確認し、打合せを行い編集作業をします。
音の編集作業といわれるMA作業をしてすべての音を仕上げていきます。
ドラマのスタッフはプロフェッショナル集団
ドラマのスタッフは専門性の高いスキルを持つ、プロフェッショナル集団です。
ドラマづくりに憧れて、ドラマ業界を目指す人はたくさんいます。
「その憧れている職種しか見ていない?」
TBSのプロデューサーのお話は、きっとこのことに気づくためだったんだ。
今、そう思います。
ドラマはみんなで作るもの。
文字で書かれている台本の世界を、映像化するにはたくさんのスタッフの力が必要です。
ドラマを見るときに、ドラマのスタッフの仕事ぶりにも注目してみたいですね!
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